劇場公開当時、4DX吹替で鑑賞。
映像表現の豊かさはここまで来たかと、ちょっと感動してしまうくらい全てのビジュアルの本気っぷりが素晴らしい。
もちろんマイルス・モラレスがスパイダーマンとして覚醒・挫折・成長していくオリジンストーリーとしても、マルチバース入門編としても素晴らしいストーリー展開。ノリとテンポも最高。
映像と内容の充実と、半端ない情報量を小気味良い編集で整理しながら最後までビュンビュン飛ばしまくる。
3DCGアニメーションの美しさは言うまでもなく吹き出しやパネル、ポップなフォントのテキストといったコミック独特の視覚効果をふんだんに盛り込むなど、デジタルとアナログ感のいいとこ取り。アニメーションが出来るあらゆる表現のつるべ打ちをガンガン浴びた感じ。
マルチバース特有のカオスな世界観と凄まじいスピード感にも圧倒される。
アース違いのキャラクターの造形が全く違ったテイストでデザインされ、ひとつの画面に共存するのも斬新で、ありそうでなかった面白いアイディア。
アメコミ作品でまさかペニー・パーカー的デザインのキャラクターを観ることになるとは、思ってもみなかったな。
またHIPHOPをメインとしたサントラ曲の使い方も良かったし、マイルスの着用するスニーカーがエアジョーダンというのもアイコンとして印象深く、ポップカルチャー方面のセンスも卓越している。
本作の主人公は有色人種のマイルズ。彼を取り巻く環境が様々な描写の理由づけになったりしていて、内容的にも結構深いんだよね。
