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スパイダーマン:スパイダーバースのbebeのレビュー・感想・評価

4.5
 やはり偉大である、親愛なる隣人。
 スパイダーマンは実写派、というかアメスパ派、というか…。ともかく食わず嫌いをしていたマイルス・モラレスシリーズ。観てよかった。

 スパイディ・ジョークはあいかわらずシリアスを損なう悪趣味なものばかり。シェイクスピアか?100点だ。

 アメコミ感ある絵柄が良かった。鮮烈で大胆な色使いと、デフォルメの効いた絵柄の相性がすごくいい。スパイダーマン(あるいはSpider-Man)のイメージにあっているし、最近のアメリカらしい斬新で独特な色彩感覚だ。多様性に満ち満ちて、それでいて無秩序ではなくって、視覚的に楽しい。効果音をも画面に書き込み、まさに「観る漫画」となった新進気鋭のアニメーション。最近の日本のアニメーションとは異なる方向性への発展、アメリカン・アニメーションとして、今後のさらなる発展が楽しみ。
 音楽もすごく乗れる。
 つまりいい意味で、過去の実写映画との比較が困難な新シリーズが始まった、のではないかと。

 マルチバースをテーマに据える点で、最近のMCUの潮流の中にある。1作目でこれをすると、スーパーパワーの獲得からキャラ紹介、ストーリー進行イベント発生までに時間を割くし、だったら主人公にフォーカスした方がいいのでは?ーなんていうのは、そのおかげでグウェンが出てくるので全て不問とする。
 ポリコレ的配慮もいいかんじ。確かにあるが、あまり鼻につかなかった。

確実に頭痛に苛まれることになるだろうが、映画館で観たかった。それだけが悔やまれる。
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