ナリア

スパイダーマン:スパイダーバースのナリアのレビュー・感想・評価

4.9
スパイダーマンでユーニバース?
ただ流行りに乗っかった企画のようにも思える。しかしスパイダーマンだからこそユニバースをやる意味があるのだ
ユニバースこそスパイダーマンというコンテンツが持つメッセージ性をもっとも発揮できる形態であり
ユニバースこそ真のスパイダーマンなのかもしれない

“親愛なる隣人スパイダーマン”
僕はこの幾度となく耳にし口にしてきた言葉の意味をやっと理解できた気がする
ピーターの死を悔やむ追悼式。僕はもう涙を堪えることができなかった。その場にピーターはいないけど、スパイダーマンがニューヨークからいなくなることは決してなかった。MJの言葉とその場に集まった人々の姿を僕は忘れない
スパイダーマンにとって、いやピーター・パーカーという人物においてマスクというアイテムはどのシーリーズ(僕は劇場版しか知らないが)においても問題の種だった。マスクを被るという選択は、他のマーベルヒーローと違って経済力も権力も組織力も持たないただの青年がヒーローになるためには最善の策だった。しかし、身を隠す為のマスクはいつしか彼に孤独を与え、自己同一性を揺るがし始める
それは正に仮面でありペルソナとして描かれてきたように思う
でも、パンフレットのスタン・リーの言葉にあるようにスパイダーマンのマスクにはもっと大きな意味があった
一人の青年の問題だったペルソナは彼自身の成長を促す一方で、人々にとって正体を明かさない=正体のないヒーローとして正義のシンボルへと昇華されてゆく

だからこそスパイダーマンは一人じゃない!

スパイダーマンに、ヒーローに、地位や素質は関係ない
誰があのマスクを被ってもいいんだ
三部作だろうが、アメージングだろうが、MCUだろうが、東映版であろうが、アニメであろうが、黒人であろうが、中年小太りであろうが、女性であろうが、モノクロであろうが、ブタであろうが、ロボットであろうが、
僕たちだって…
ただ誰かを愛おしいと思う純粋な心と、困っている人に手を差しのべるほんの少しの勇気さえあれば
肩に手を置き「やぁ」と他者に寄り添えたなら誰しもがきっとあのマスクを被っている
それは決して正体を隠すためでも、保身のためでもない
スパイディーの意思を持つ者の証として!
あなたもきっと親愛なる隣人に成れる
最初は気恥ずかしくて着慣れないかもしれない。けど「サイズは合う、いつかね」
コスチュームショップのおじさんがそう言ってた。


コミックをフューチャーしたアニメションの手法だったり、CGの使い方だったり、編集だったり、音楽だったり
お馴染みの大いなる力だったり、信じて跳べだったり
書きたいことはいっぱいあるけど、だいぶ書いてしまったのでやめとく

!最後にこれから見る人に警告!
特に意味はないけど、ドリンクは絶対コークにしとけ!(あとハンバーガーあったら最高だな!)
つまりは、それくらい最高のスパイダーマン映画だったってこと!
ナリア

ナリア