真一

鋼鉄の雨の真一のレビュー・感想・評価

鋼鉄の雨(2017年製作の映画)
3.7
 北朝鮮軍🇰🇵のクーデターにより瀕死の重傷を負った独裁者・金正恩総書記( ̄^ ̄)が、なんと38度線を越えて韓国🇰🇷国内にある町の産婦人科と美容整形外科を転々とするという、アゴが外れそうになる驚愕のストーリー。意識不明の金正恩を陸路で韓国に運んだのは、鍛え上げられた肉体と頭脳を持つ北朝鮮のエージェント👤。いい加減だけど憎めない韓国大統領府の外交担当官👤とコンビを組み、史上最大の朝鮮半島危機に立ち向かう。非常に面白いが、この展開、サスペンスというより、ほとんどギャグです😂

※ここからネタバレあり

 スケール感は半端ない。金正恩も出席した盛大な北朝鮮式典🇰🇵にクーデター部隊のミサイル🚀が撃ち込まれるシーンは度肝を抜かれた。北朝鮮🇰🇵が弾道ミサイルを日本海🌊上空で核爆発💥させるシーンには「やりすぎだぞ(^_^;)」と突っ込みを入れたくなった。日本🇯🇵の海上自衛隊イージス艦🚢が発射した迎撃ミサイルは空振りに終わり、胸クソの悪さを感じた。「いくらコスモポリタンになりたいと思っても、自分はやっぱり日本人🇯🇵なんだなあ」と痛感。

 本題は「クーデターの首謀者👿は誰か」という点にある。エージェントのオム・チョルウ(チョン・ウソン)🇰🇵は、リ偵察局長👤に命じられ、謀反が取りざたされた秘密警察(保衛部)のトップを暗殺☠️。だが金正恩を連れて韓国に脱出後、韓国側🇰🇷の力を借りながら、真の黒幕👿は自分の上司であるリ局長👤だと突き止める。この辺のくだりはスパイ🕵️映画的で、緊張感がある。

 だがエンディングに呆れた。韓国大統領府の外交担当官クァク・チョルウ🇰🇷は、 北のエージェント🇰🇵と共に半島を危機から救おうと立ち上がったにもかかわらず、なぜか最終局面でワル😈に成り下がる。エージェント🇰🇵が自らの命に換えて守った入院中の金正恩を人質に取り「返してほしいなら対価をよこせ」と北朝鮮政府に迫るのだ。そして「身代金」として得たのが、なんと核弾頭💣!「韓国は、晴れて核兵器保有国⚡の仲間入りを果たしたとさ。めでたし、めでたし\(^-^)/」ということか?

 どーいうラストシーンだ( ; ゜Д゜)

 韓国🇰🇷が核武装したら、日本🇯🇵も核武装する公算が大きいと言われる。「韓国が持つのに、日本が持たないなんてあり得ない!」という激情に世論が支配されるからだ。そして核武装の流れは台湾🇹🇼にも波及すると、多くの専門家は指摘する。これが、覇権を争う米国🇺🇸と中国🇨🇳がいずれも警戒する「魔の核ドミノ」だ。ゆえに、米中が韓国の核保有を許さないのは論を待たない。

そう考えれば、このラストがいかに荒唐無稽かが分かる。そもそも、人質👤と核弾頭💣を交換しようというクァク🇰🇷の提案は、オム🇰🇵との間で育んだ友情と信頼を全否定するものだ。いわばストーリーの背骨を折る展開。「この二時間、何を見させられていたんだ( ̄。 ̄)」という脱力感にさいなまれる。

 前半から中盤にかけての良い流れが、しょーもないラストシーンで吹き飛ばされてしまう実に残念な作品🔥😭💣。これからご覧になる方には、ぜひラスト3分を見ないで画面を閉じることをお勧めします😄
真一

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