シャークウィザード

劇場版ポケットモンスター みんなの物語のシャークウィザードのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

悩みを抱えた人間達がポケモン達との交流を通して互いに成長し、事件を解決するストーリー。
中盤のポケモンハンター以外、明確な悪役がいないのも珍しいが、今作にはぴったりだと思った。
ルギア爆誕が好きなので、フルーラの笛のBGMからタイトルが出る時点で好き。
サトシを含めて主要人物全員が同じケーブルカーに乗っているのは見返して気づいた。
映画キャラ達のエピソードはどれも良かったけど、一番心に刺さったのはカガチとウソッキー。ウソッキーをゲットし、「嘘をやめるのをやめだ」でウルっとした。
リサが陸上で地方チャンピオンになったこともあるって言ってたけど、ポケモンの世界で地方というとカントーとかジョウトの地方?かなり凄いじゃん!ポケモン世界の登場人物はポケモンが好きか嫌いという印象があったから、リサのように特に意識もせず、実際の人の様に暮らしているというのがまた新鮮だった。ポケモン映画だとフルーラ、カノンが特に好きだけど、そこに食い込むぐらいにリサ好き。
ゲットレースでヒトデマンの特性「はっこう」でポケモンが寄ってきやすくして有利に進めるの設定が細かくて感心した。
暴れたバンギラスを止めようとした時に、サトシに頼まれたピカチュウの表情が絶妙。「誰に頼んでんだ?任せとけよ」みたいなサトシとピカチュウが互いに信頼し合っているのを感じた。
山の中でメイクが崩れるまでイーブイを探すリサ、顔芸が出来るのも良いなと。
初ゲットでテンション上がるリサを見て昔ゲームで初めてポッポを捕まえたのを思い出した。
イップスというポケモンとは関係の無い悩みがこれまた身近でイメージしやすくて良い。
トリトの上がり症、人とのやり取りが苦手な所もこれまた非常に共感した。大勢の前で発表する時の上がりっぷりがもう他人には思えない。背中を擦ってくれるラッキーがいてくれるのが羨ましい。
ヒスイさんがポケモン嫌いで手袋をずっとしているのが過去の火事、トラウマに繋がる所も含めて巧い。野沢雅子ってやっぱり凄い上手。
ラルゴのガーターはデザインとして天才でしょ。あれだけ一人で出来るの凄いぞ。
ゼラオラ、電気タイプでスピード特化みたいな戦い方好き。
トリトらの開発していたものが、ドーブルのインキ、あまいかおりやほうしを使った薬剤とポケモンの技や特性を役立てようとするもので、どれも面白かった。状態異常にするほうしが病気の治療に役立つなんて、ありそうな話。
ポケモンパワーに一人じゃできないことも誰かと一緒なら、ポケモンと一緒ならとサトシの考えとしてぴったり。今作の登場人物らを鼓舞しまとめ上げるのはサトシにしかできない。
人と人、人とポケモン、ポケモンとポケモンが力を合わせて街を救おうとするのが本当良い。こういう話がポケモンで見たかったので大満足。ポケモンに支えられて皆が抱える悩みや問題を超えていくのが最高!
ラルゴがゼラオラに人がポケモンにも良い影響を与えられたらいいなと語るのがしんみりした。人間は愚かだけど、ポケモンにとっても必要な存在であってほしい。
今作は非常に力の入った脚本だと思った。カガチの嘘つきだけでなく、町全体の嘘も含めて一つの話にするの凄いと思う。ロケット団のラムの実ジュースまで回収するとは思わず、驚き。カガチがボールを投げるのが上手なのもしっかり序盤から描写されてるから納得。
EDのブレスも名曲。歌詞のメッセージが今作にぴったり。こういう時代だからこそ、今作が作られたのかとも思うし、ここまで感動はしなかったかも。
手描きの温かいイラストで皆のその後が描かれているのも含めて、最後まで満足度高い。トリトの発表を見に来ているカガチらとあの後も交流あるの良い。
出てくるポケモンがカントー、ジョウト地方多めで懐かしくて楽しかった。
フウラシティも海沿いの綺麗で爽やか、かつ発展した印象の街で好き。ポケモン映画の舞台は実際に訪れたい魅力あるものが多いが、今作も見事。