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劇場版ポケットモンスター みんなの物語のtetsuのレビュー・感想・評価

5.0
かつて、ポケモンのゲームで共に育った幼馴染みと大人(18歳以上)限定試写会にて鑑賞!

ポケモンマスターを目指し、旅をする少年サトシ。
彼は風の街「フウラシティ」で年齢も肩書きもバラバラの男女5人に出会う。
一年に一度の「風祭り」を数日後にひかえ、にぎやかなムードに包まれる街だったが、その過去にはある秘密があって...。
これはポケモンの出会いや別れを繰り返し成長していく彼らとあなた、そして、「みんなの物語」

率直に言わせてもらいますと、本作、ポケモン映画として満点でございます。笑
そして、何といっても今回はポケモンを知らない方にこそ観ていただきたい!!

てなわけで、今回は長くなりそうなので...、
ポケモン初心者の方へ向けた感想と、
ポケモン映画経験者へ向けた感想、
二本立てでお送りいたしますね。笑
(本当に長いので、どちらか選んで読むことをオススメします。笑)


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<ポケモン初心者の方へ>

これはポケモン版
『ベスト・キッド』であり、
『君の名は』であり、
『英国王のスピーチ』であり、
『恋は雨上がりのように』ですよ!笑
(↑ちょっと話を盛っているように聞こえるかもしれませんが、割と本当です!笑)

また、ポケモンたちと人間の関係性がペットと人間の関係性にも通ずるので、ペット映画が好きな方に必見の一作といっても過言ではないかもしれませんね...。

確かに、導入部は「サトシ」や「ロケット団」といった個性的なキャラクターたちが登場し、知っていることが前提で進んでいくので、少し困惑するかもしれません...。
しかし、大丈夫!
物語にはポケモン初心者のキャラクター「リサ」も登場するので、彼女の視点からスムーズに世界観に入り込めるよう工夫されています。

また、今回は豪華な声優陣にも注目!
芦田愛菜さんや川栄李奈さんなど、一見、タレント声優のように思うメンバーですが、なんといっても全員演技が上手い!
アニメ映画では吹き替えの芸能人が棒演技だったりして、物語に入り込みづらいことが往々にしてありますが、今回は本当に適役だらけでした!
それぞれのキャラクターの物語も短時間ながら、上手くまとまっているので見応え十分!
彼らがポケモンとの交流を経て、困難を乗り越えるクライマックスは群像劇としても一見の価値アリかもしれません。

というわけで、
OPの主要人物を表す6つの風船のシーンだったり、危機的状況に陥る街を前に立ち向かう6人の主人公たちのシーンだったりと、作画の点でも印象に残るシーンが多々あった本作。
是非、普段、日本のアニメ映画でジブリや細田守監督作しか観ないような人にも観ていただきたい一作でした。

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<ポケモン映画経験者の方へ>

僕が小学生の頃、
みんなでポケモンの通信対戦をしたのは今でも記憶に残っていて、前売り券と入場者特典でポケモンをもらうのが毎年恒例行事でした。笑

しかし、映画の内容に関してはバトルシーンに重きが置かれ、荒さが残るストーリーに年齢が上がるにつれ飽きてしまい、それ以来、作品から離れてしまったのですが、いやはや、今年の作品は良かった!!
ファンの方からすると好き嫌いは別れるかもしれませんが、個人的に本作は大傑作ですよ!

僕の歴代ポケモン映画不動の1位は、間違いなく第1作『劇場版ポケットモンスター-ミュウツーの逆襲-』でしたが、今作はそれと対をなす、心温まる系の作品としてはベストといっても過言ではないほど!

なにより、
大音量でテーマソングが流れるタイトルシーンや、お決まりとなった序盤のオーキド博士のナレーション、OPソングをバックに展開されるサトシのバトルシーンを思いきって排除した序盤に一気に引き込まれました!
(前作未観賞なので、前回からなのかもしれませんが...。笑)
このシーンがないだけで、
子供向けアニメ映画という感じが、だいぶ払拭され、ひとつのアニメ映画としての価値を高めてくれたと思います。
(大人限定試写会を開催した理由はそこにあるのかも。)

また、予想以上に金銀までのポケモンを登場させることにこだわっているので、世代の方にはとても嬉しいつくりにもなっていました!
(ただ、本作のロケット団は割りとポンコツなので、そこは注意ですが...。笑)
ピカチュウと茶色い"アイツ"の戯れるシーンが尊いこと、尊いこと。笑
特にルギアの登場シーンは印象的で、目立ちすぎず、次の世代へと繋ぐような役割となった伝説のポケモンの姿には時間の流れを感じる方もいるかもしれませんね。

というわけで、ポケモン映画としてだけでなく、ひとつのアニメ映画として完成された本作。毎度お馴染み、救世主的な扱いなサトシや、多少のご都合主義は少し気になりますが、総じて名作であり、誰もが感動できる作品になっているので、是非、最近ポケモン映画を観ていない方にこそ、観ていただきたい一作でした!

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最後に、
今回の試写会、司会として芸人のトットさんとピカチュウが登壇し、彼らのネタに終始、目が死んでいたピカチュウ。笑
しかし、20年以上愛された長寿アニメのアイドルは大人にも大人気で、記念撮影をして満足感に溢れた顔で帰っていく方がたくさんいたことを伝えておきます。

というわけでひと言、
声を大にして言わせていただきたい。

「やっぱり、夏はポケモン!!」
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