「みんなの物語」というタイトル通り群像劇が描かれた本作。今作オリジナルのキャラクターたちが主役で、サトシやピカチュウが脇に徹していた。
やりたいことはわかるのだが、いかんせん話の転がし方や絡ませ方、そしてなによりそのオリジナルキャラクターたちの立て方がイマイチ。
後に改心・成長というドラマを作ろうとするあまり、キャラクターたちの言動が露悪的・自己中心的すぎて好感を持ちにくい。その悪い印象を変えさせるほどのドラマが観られるかと思いきや...。
起こるピンチは彼らの無自覚さや迂闊さが原因にも関わらず、それへの葛藤が一切ない。この“みんな”のどこに感情移入すればよいのか。
主人公のサトシも正論吐くだけのマシーンと化していたのも残念だし、彼が何度も口にする「ポケモンと一緒なら〜…」も、それに見合った展開とも呼びにくいのも惜しい。(完全にポケモン頼りで人が起こした結果や想いになってない)
戦闘シーンも劇場版らしい迫力に欠ける。