ダイアー教授

FAKE ディレクターズ・カット版のダイアー教授のレビュー・感想・評価

3.7
題:続編はショーンKさんを題材に

騒動から数年が経ちます…
関心がない事件だったので、そんなに詳しく知りませんでしたが、
この映画がとても面白かったのでいろいろ調べました。

その結果、ゴーストライター騒動に関して、
「ある程度の知識がある人」と、「あまりない人」では、
この映画の見え方がガラッと変わることが判りました。

「キョーミが無くて、あまり知らなかった私」が非常に驚いたクライマックスの「あるシーン」が、
「いろいろ調べて、ある程度」知った後で観ると全く違ったシーンに見えました。

知らない人と知っている人が全く違った見え方をする「トリックアート」みたいな作品であると思います。

ドキュメンタリーなのに演出が映画的です!

『FAKE』の佐村河内守を観て思い出したのは、『ゆきゆきて、神軍』の奥崎謙三さんです。

奥崎さんがカメラの前で語ることは真実かもしれない、
そしてカメラの前でやったこと紛れもない(暴行、そして傷害沙汰)は事実だけど、現実離れしていてウソみたいに見えます。
赤の他人(=ヒト)を殴るという行為が非日常である私にとっては、まるでそれが映画のように見えます…

佐村河内さんは「それは本当だ」「あれはウソだ」と語りますが、
「それはウソ」で「あれは本当」だと思わざるを得ません。

真実って、ウソって、一体なんなのでしょうね?

森監督には『FAKE 2』として、ショーン・マクアドル氏akaほらっちょ川上さんの密着映画を撮って、彼の鼻の詰め物を取って欲しいものです。

p.s.
ネコちゃん、むっちゃくちゃ可愛いです。