現れる小林

欲望の現れる小林のレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
3.6
「何なんだよ」とツッコんで笑って終わったのだが、この作品の鑑賞態度として正解だろうか?

不条理的な雰囲気は全体に漂わせつつも「これはちゃんと筋を予想しながら楽しむ系の映画ですよ」という感じで一応伏線をチラつかせてきていただけに、結局最後何も解決せずに不条理エンドで幕を閉じられた時はさすがにバカにされてる気分になった。

とは言っても一本ぐらいこういうのがあってもいい気もするから見たのを後悔するほどではない。

伏線は回収されて当然という先入観を覆すコンセプトが面白いと言わせたいのかもしれないが、一瞬で見て終わる絵やオブジェならまだしも2時間近く観客を拘束する映画でそういうコンセプチュアルアートまがいのことをやられると見る側は流石にキツいと感じても無理はない。

シュール系の作品はめちゃめちゃ好きなやつにもたまに出会うのだが、今回のは単純に徒労感が残った。