Aix

欲望のAixのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
3.6
カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したミケランジェロアントニオーニの作品。人気カメラマンが撮った写真に死体が写っている話。

死体も、テニスボールも、妻や子供も、壊れたギターの価値も、見方によっては存在しているし見方によっては存在していない。数多の美女が登場する今作ですが、ヴェネッサレッドグレーヴのスクリーンタイムが明らかに短いのがいやらしく、今作の不条理さを極めていたと思います。また、全体的に無意味なシーンが続くのも、主人公の満たされない不条理な欲望を忠実に表現出来ていました。ただその一方で、今作はアントニオーニのパルムドール受賞作と聞くと拍子抜けするのが否めません。特に終盤は退屈した気がします。やはり退廃的で虚無感満載の前作、赤い砂漠の方が個人的には好みでした。
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