午後ローぴょんぴょん待ち

欲望の午後ローぴょんぴょん待ちのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
3.8
 確かにポップでお洒落な画作りを頑張ってるのはわかります。でもそういうのあんま好みじゃないんです!ごめんなさい!……こんなふうに思って半分あたりで見るのをやめたくなったのは多分俺だけじゃないでしょう。
 でも辛抱して見続ければ良い映画だって分かる。通常の劇映画が辿り着くはずの核心の存在をほのめかしながらそのまわりをグルグル回り続けるような独特の不完結性がある。
 まあ不完結性だけで終わっているならただの退屈な映画だが、そのグルグル回る過程にも緩急がついているのが良い所だ。「何故撃ったの」という意味深な詰問(最終的には意味深ではなく意味不明だったけれど)から始まるラストの「何かが起こりそう」なハラハラした感じには心底痺れた。
 結局そこでも裏切られるんだけど、ラストがあのパントマイムテニスだから文句は言えない。殺人事件を追うシナリオの映画として決して完結はしていないが、無意味な主人公の放浪の一環であるはずのシーンで寓意的に映画そのもののテーマを表現してしまったというのは、映画を完全な不完結性ではなく完結性を見据えた不完結性で締めくくったと言うのが正しいのだろうか。
 前半が酷く退屈だったから点数はそこまで高く出来ないけど、おすすめ。