SMの緊縛行為を生き甲斐にしている、性倒錯者たちの実像に迫るドキュメンタリー作品。緊縛する側・される側の現場インタビューで構成されている。
緊縛行為には「死地に近づく=究極の恍惚状態に突入する」という方程式に対する、極めて本能的な探求心が内包されている。そして、行為する2人のあいだには、絶対的な信頼関係が生じている。
著者は本作に出演している緊縛女優・早乙女宏美女史から話を訊いた経験あり。彼女の口から発せられた、「緊縛放置されて、自分と向き合っているときの静寂が好き」という表現が、我が意を得たり。
緊縛師自身は、相手と直接的に交わることはしない。ただひたすら寡黙になり、縄を使った仕事に徹するのみ。劇映画ではカットされがちなシーンが生々しく収録されており、日本独特の「わび・さび」を感受することができる。