井出弐等兵

ボーダーライン:ソマリア・ウォーの井出弐等兵のレビュー・感想・評価

2.5
えぇボーダーライン関係ねぇ…

観た瞬間はこの感想。
そう、メキシコの麻薬カルテルを描いたボーダーラインとは全く別である事は最初に言っておく。



さて本作は、誰も行く事の出来なかった危険地域ソマリアに突撃し、ソマリア沖の海賊に取材したジェイ・バハターの伝記映画。


…って書くと、
高い志をもったジャーナリストがソマリアの真実を描くために取材した英雄譚のように見えるが実際は…

ボンクラ大学生の無策無謀な暴走。
行き当たりばったりで無知な青年の突撃なのだが、
周囲に恵まれた事もあり、意外にも事態は全て上手く転がっていく。

彼は誰も見向きもしないソマリアにて、
海賊達とのインタビューを敢行した。
その後、アメリカ軍との激化した頃には、
誰もソマリアの地に立ち入る事が出来なくなったため、
彼のインタビューが注目の的となった。

これは彼の先見の明と「ソマリア」や「海賊」について偏見なくぶつかっていった志の勝利か?
それともボンクラ大学生の無知による単なる幸運か?

ジャーナリストは無事に帰るか帰らないかは非常に大きい。
無事に帰れなかった時、分かりやすい例はシリアにあったと思う。
諸々の言動は別として、もし無事に帰ってきたとしたら、
彼もジェイ・バハターのようになれたのもしれない。

テーマの重厚さに比べて、全てが淡々と描かれるため、
緊迫感に乏しく、全体的にカタルシスが足りない。
そのため、なんかいまいち緊張感と盛り上がりに欠けていたのが残念。