カエル

ボーダーライン:ソマリア・ウォーのカエルのレビュー・感想・評価

3.0
アマプラで視聴。
『ボーダーライン』(ベニチオ・デル・トロの”Sicario”シリーズ)の続編かと思ってしまい、あれ?なんか違う...と思いながらも最後までみてよかった。


あえて同じ邦題じゃなくて『ソマリアの海賊』でよかったんじゃないかな...これミスリードする意図なのか?配給会社さん

『ボーダーライン(Sicario)』もこっちの『ボーダーライン(ソマリアウウォー)』もどちらも、何が犯罪で何が正義か、善悪についてのボーダーラインについて考えさせられる点では共通するものの、こちらはわたしにとってはむしろハートウォーミング系。
ドンパチしそうなポスターのイメージや「ソマリアウォー」って言葉と映画の中身が乖離してると思いました。

紛争地や危険な場所において、何が起こっているのかというのは、主人公のようなジャーナリストが実際に現地に赴いて発信していただかないとわからない。だから危険な地域に行って取材してくれる人を非難することは絶対にしてはいけないと改めて感じました。感謝こそしても非難すべきではない。

現地の人が、主人公に対して世界にこの状況を発信してくださいと懇願しており、それを発信しようとしているのに、誰も興味を示さなかったのが、米国人が事件に巻き込まれた途端にニュースバリューとして、また、ソマリアに滞在していた者を重宝するあたりの手のひら返しは酷いけど。でもそういう事件でもないと遠い異国の惨状には皆興味ないのですよね。
これが現実。

でも、遠い異国の惨状に興味がないということは、目の前の人の惨状にも興味がないことと同じだとあるジャーナリストさんがおっしゃってました。

ソマリアってこういう国なのかということを知ることができる点でこの作品は価値があると思いました。
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