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志乃ちゃんは自分の名前が言えないのeyeのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2018)

原作を読んでないため、
映画との差異は分からないが…

志乃ちゃんは吃音の問題を抱えてる(※劇中1度も吃音や吃りなどの単語は表現されない)

特に語音・音節の問題
そして
言葉がブロックされてしまう
加えて
場面恐怖・不安症・劣等感・自己嫌悪

など沢山の悩みを抱えている

そして志乃ちゃんが
"何でソレを抱えてる"
のかは描かれない

加代も過去には友だちに
ハブられてたり、音痴だったり
それなりのコンプレックスを抱えている

菊地も俗に言うKYなキャラで
過去にはイジメを受けていた

それぞれのキャラがちゃんと立って交錯して展開していく

物語はアコースティックデュオ
"しのかよ"が結成されて
路上ライブや家での地道な練習を経て

志乃ちゃんの吃音は徐々に緩和される

「コレはもしやもしや…王道の展開に行くのか…」と思うところ

うるさい菊地の登場により
かなりひねくれた展開になっていく

物語終盤

志乃ちゃんとの海辺でのやりとりや家に会いに行く加代が
「言ってくれなきゃ分からないよ」と話すシーン

このシーンは後々効いてくる
重要なポイント

加代が志乃ちゃん自身のことを
歌った"魔法"を歌う

"何で自分の名前を言えないか"

緊張してるから?
みんなと打ち解けないから?

ではなく、、、

"自分で自分を
認めることができてないから"

喋れさえすればと
伝えるもそこに恐怖が押し寄せる

誰とも
喋らなければ
見られなければ

バカにされないと
逃げてる口実をみつけたが

"誰とも関わらず逃げて

私が私を追いかけてくる

自分をバカにしてるのは

自分を笑ってるのは

自分を恥ずかしいと思ってるのは

私なんだ"

率直に話してくれた
言葉に心の中の想いを聴いて

加代は笑ってくれる

ラスト2人は別々に描かれるが…

つっかえてたものがスッと抜けるような観てる側のカタルシスは得られる

またいつもと同じ日常の風景を写し
変わり映えのない毎日

ではなく 

志乃ちゃんに声をかけてくれる
新たな友だちができる

この物語はフィクションだけど

またぶつかる困難を
今度は正面から受け入れ、自己紹介できるような志乃ちゃんであってほしいね
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