ナカムラ

アニマルズ 愛のケダモノのナカムラのレビュー・感想・評価

アニマルズ 愛のケダモノ(2016年製作の映画)
2.0
実際に起きた男女の連続監禁殺人事件を元にした映画。
終始静かに進む上に言葉や音楽も少ないため、映画というか、紙芝居のような、情景を見ているような、そんな作品に感じた。

犯人の男女、ジョンとエヴリンがホストとホス狂みたいな関係に見えた。
エヴリンは終始情緒不安定状態で、ジョンが、人質と2人きりになると叫び、自殺を図ろうとする辺りや、エヴリンを上手に言いくるめようとジョンが優しい言葉をかける辺りは本当にネットでよく見るホストとホス狂の共依存のようにも見える。特に女側の表現がリアルで、こういう男に依存している女性っているよね……と思う。

そこに哀れにも加えられてしまった少女ヴィッキーは、不仲な両親と縛り付ける母親に挟まれ、家から抜け出す途中に捕まるというかなりリアルな流れ。
本当にどこにでもある家の中に囚われ、狂った男女のいい玩具にされる。

ただ、直接的な描写はなく何が起きたのかはご想像にお任せします。という形なのでグロさもエロさもなく、そこは安心して見れる。
叫び声とともに扉の奥へ消えていく少女の顔と声が強く目と耳にこびりついた。

実際、海外では帰ってこなくなった少年少女に対して、家出ですね。で片付けられることも多く、捜査の始まりが遅くなることがあるらしい。
そういった現実も描かれていて、海外の捜査に対する腰の重さがよくわかる映画だった。
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