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響 -HIBIKI-のcinemakinoriのレビュー・感想・評価

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
4.5



“他人が面白いと思った小説に、
作者の分際でなにケチつけてんの?”





『面白い映画の棚』と『面白くない映画の棚』があるのだとしたら、間違いなく私は前者の棚に並べる。



作品自体はめちゃくちゃそそられてはいたものの、キャスティングを見てずーっと保留にしていた作品を漸く鑑賞。
もうね、この映画の主旨そのまんまよ、、、演者がどうとか興行収入的にどうだったの?とか、話題性がどうとか、そんなものに惑わされちゃダメだよなぁと。

「面白いものは面白い!」

こんなシンプルで当たり前の事を再認識させて貰える衝撃波を鮎喰響に思いっ切り喰らった。いや鮎喰響という名の平手友梨奈にと言った方が正しいかも知れない。
それほどまでにこの映画は平手友梨奈の神がかりなシンクロで、トンデモないものとなっている。

北川景子の演技力は学芸会並なのでその時点で保留案件だし、えー?吉田栄作?、坂道アイドルが主役??何じゃそりゃーなキャスティングというのが観る前までの保留理由、、、
それでもやっぱりどうしてもそそられる何かがこの作品にはあったのも初鑑賞の理由。

開始10分であっさりと心を持っていかれる程に秀逸なオープニングで、
「あ、コレ絶対好きなやつだわ!」
と判明。
以後、姿勢を正してガチ鑑賞モードに切り替えますた(^^;;


コレは深い、、、
所謂、アスペルガー症候群を抱える天才少女とその周りの普通人との温度差の話になるんだろうけども、決してそれが主軸にはなっていない所が面白い。
クリエイターの創造力、世に放たれた作品の存在意義、マスメディアと天才のバディとバトル、子供と大人の別枠シーケンスから、心を奪われ感じて動く事の“本質”の追求と哲学が流石!小説を題材にしているだけの奥行きレベルがエグ過ぎる。



この作品を観終えると、あのダヴィンチも織田信長もアインシュタインも、そしてイチローもスティーブ・ジョブズも数々の天才達が皆アスペルガー症候群だという事実にすんなりと納得をしてしまうから凄まじい説得力だ。


〈月川翔監督〉
なるほど、【君の膵臓をたべたい】の監督だったのか!!
浜辺美波や北村匠海の才能をいち早く見出した監督と言う事に合点が行く。
この物語の天才アスペルガー症候群女子に、平手友梨奈を起用した監督が凄い!
AKBも坂道系も、、、とにかくアイドルには一切の興味も知識もない私ですが、一発で平手友梨奈の虜になってしまいました。

古くは【セーラー服と機関銃】の薬師丸ひろ子や、少し前では【海街diary】の広瀬すずと同じ様な鮮烈さとバケモノ感が漂ってくるものだから末恐ろしい。



そんな馬鹿な!とこの作品の非現実的描写に興醒めする前に、漫画的カタルシスの比重度合いを推す方が感性レベルで得をする非常に濃ゆい作品だと思うなぁ〜。






“本人には謝罪したのよ
何で世の中にしなくちゃいけないの?”
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