つき

響 -HIBIKI-のつきのネタバレレビュー・内容・結末

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

誕生日、二本目の映画。
みる前にパンフ買おうと思ったら何かネタバレが書いてあるから初回終わるまで置いてないってのにびっくり。そういうのってパンフ自体に書いてあることはあったけど、置かないってのもあるんだと。本編始まる前に席を間違えててあとからその場所の人が来て本当に申し訳なかった。びっくりするよね。
原作の漫画をたぶん四冊くらい読んだと思うのだけど、そっちはあんまり好きにはなれなかった。でも映画を観てからそれもすこし考えが変わったかもしれない。
響という小説を大好きな少女(たぶん間違ってないのだけど違和感しかない表し方になってる気がする)が新人賞に応募し、新人賞をとり、部活仲間とぎくしゃくしたり、仲直りしたり、直木賞と芥川賞同時にとったり、電車を止めたりするお話なんだけれども。
お話の筋だけなら青春ものになるのかもしれないけれど、これはたぶん響という人と、彼女に関わったひとたちのお話、という分類になるんだと思う。
響が今まで心に触られたと感じた作家たちと握手をしてもらうときの幸せな表情。私も作家さんに握手をしてもらったことがあるけれど、あぁこの手からあの世界は生まれたのかととても感動したのを覚えてる。感触や温かさまで鮮明に覚えてる。
部活の先輩で同じ女子高生作家のリカの感情。彼女もこれからきっと長く書いていくのだと思う。
芥川賞を目指す作家の、原稿に向かう狂気さえ感じる姿勢。彼のずっと背負ってきたものがどうかこれからも彼にありますように。
新人賞を響と同時にとった青年に、バイト先の上司が「28までやって芽がでないってだめってことでしょ」というようなことを言われる場面、自分に言われてるようで息が止まるかと思った。芽が出るとか、評価されるとか、その基準だけで書いているわけではないだろう。書きたいものがある、だから書く。書きたいものがある間、彼は手を止める必要はない。
漫画は響が、または彼女の回りの人が世間の常識からはみ出したと糾弾される、揶揄される。それを響が暴力で打ち破る(笑)という繰り返しで、そこがのれなかったのだけど、平手さんの目が、動きが、それだけではない響という人を見せてくれた。だから私はすこし響が好きになった。
エンディングの歌も、とても好きだ。
つき

つき