多くの人が書かれているが、4歳児でこのボキャブラリーとしゃべりは「脚本」を感じさせてならない。
寂しかったらお母さんに抱きついて何も言わないのではなく、すぐ「寂しかった!!」と言ってしまう。
主演声優のズレがそれに拍車をかける。
4歳児の声のハリや口調にはあまりに遠い。
4歳児を描いていても大人の目から見た4歳児でしかなく、そこに大きな違和感がある。
子どもが騒ぐシーンも18歳の知性を持ったメンヘラの女の子が騒いでいるような違和感を覚える。
リアル4歳児が見るには、難しい言葉が多く、ヒロイズムに欠ける。
大人が見るには説明的で物足りない。
言いたいことはわかるが、誰に向けて作ったのか、その範囲が広すぎた結果、作品のバランスを大きく崩しているようでもったいなかった。
だが、演出の部分では、他の追随を許さない。
オープニングシーンの窓をこする手の動きとゆらめき、自転車から転けてつんのめるシーン、プラレールを壊さないようにまたぐシーンの細かさ。
アニメーションでここまで幼児を演出できるスタッフと監督もなかなか見たことがない。出色の出来。