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未来のミライのIDEAコメント休止中のレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
1.5
鑑賞後、とても落ち込んだ。

くんちゃんが、あまりに不憫。
くんちゃんが泣くたびに、胸が苦しくなった。

先に生まれたんだから兄としての振る舞いを、って言う理屈は分からなくもないが、4歳の子にいきなりそれを求めるのは違うと思う。

あの父母(特に母)のくんちゃんへの接し方だと、自分は愛されていないと感じてしまうのは当然ではないか?

先に生まれた者の自覚は、自分も愛されていることが感じられて初めて生まれると思う。
そうでなければ、なんで自分だけ…などというマイナスな感情が先に立ち、相手を思いやるどころの話ではない。

両親がくんちゃんに、あなたの事ももちろん愛しているよ、と、見える形で表してあげるだけで、くんちゃんの心は晴れるはずなのだが。

くんちゃんだって、ミライちゃんを叩きたかったわけでも、嫌いたかったわけでもない。ただ、両親に振り向いて欲しかっただけなのに。

駅でのシーン、結局、『くんちゃんはミライちゃんのお兄ちゃんです』って言わせたかったんだろう。
ミライちゃんのことほんとは嫌いじゃないのを利用して、ミライちゃんが恐ろしい列車に乗らないように助けさせて。兄としての振る舞いを4歳児に強要するのはあまりに酷。

そんなにも兄としての責務は重いものなのか。だとするならば、その重責を担うために父母が最大限の愛情を彼にかけてやらねば。兄として頑張るくんちゃんを一層愛してやらないと。

くんちゃんのわがままの是非より、正すべきは両親の子供への接し方。

また、ミライちゃんが未来から来た意味、飼い犬が人になる意味、くんちゃんが犬になる意味、判然としない。
この作品は結局のところ何を伝えたかったのか。
ただただ、くんちゃんの、突然愛情を失った焦りと悲しみしか伝わってこなかった。

あと、母親がくんちゃんに話をするとき何かと、4歳児には理解が難しいのでは?と思う単語連発。
相手の立場に立って話ができないのか?

本当に観ていて可哀想だった作品。

まあ、くんちゃんの気持ちが痛いほどわかったってことは、感情移入が出来たってことなんだろうか?

そう考えるとある意味すごい作品。
二度と見ることはないが。

まあ、中庭の描写は綺麗に仕上がっていたので、よかったところはそのくらい。