まーしー

15時17分、パリ行きのまーしーのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.0
クリント・イーストウッド監督作品。
パリ行き列車で凶行に及ぼうとするテロリスト。偶然乗り合わせた男性3人がそのテロリストに立ち向かう勇姿とともに、彼らの半生を描く。

実話がベース。そして、主人公3人が本人というから驚き。
本作は、この3人の半生を振り返りながら進行する。
発達障害が疑われる学童期、軍で活躍できない青年期など、彼らは決してスカッとする半生を送っていない。しかし、その半生が決して無駄ではなかったことが終盤で明らかとなる。
自分が思い描く人生でなかったとしても、決して腐ってはいけないというメッセージ。本意でない経験が、思わぬ形で活きてくるかも知れない。

90分程度にコンパクトにまとめられており、比較的、鑑賞しやすい。
その分、端折られている場面も多い。特に、中盤以降のヨーロッパ旅行の場面は、気が付けば隣国へと舞台が移っている。また、テロリストの正体や動機も不明なまま。
この辺りの説明不足は否めず、賛否あるところだろう。

ただ、これはイーストウッド監督が意図したことのようにも思う。
至るところに伏線が張られており、観る人によって伏線と捉える場面も異なるはず。監督は、個々により異なるであろう作品のメッセージを、個々に受け取って欲しかったのかも知れない。

世間の評価は芳しくないものの、私は駄作とは思わなかった。