驚いたな。
実際に起きた列車テロをベースにした、クリント・イーストウッド監督作品。
予告編を見ててっきり、緊張感あふれるサスペンス風の映画だと予想していた。たとえば「ホテル・ムンバイ」みたいな…
実はなんと、人間ドラマだった。
物語は列車に乗っていた幼なじみ3人の、子供時代にまでさかのぼる。
え、そこから?
3人の少年時代から始まって、彼らがどう生きてきたのか、なぜあの列車に乗り合わせたのか、なぜテロリストに立ち向かっていったのかが、じっくりと描かれていく。
人間ドラマとしては丁寧で見応えがあったものの、どうせなら中立的な視点でテロリストの半生も描いて欲しかったと思う。
イーストウッド監督らしい辛辣さや、ダークサイドに切り込んでいく鋭さはなかったかなぁ。
主演の3人を含め、実際にこのテロに巻き込まれた一般の人たちを俳優として起用しているところは尋常じゃないが。
劇中で暗唱される平和の祈りは、キリスト教信者でなくとも心に響くのではないだろうか。