MrMINE

15時17分、パリ行きのMrMINEのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.7
87歳になってもクリエイトし続けるその意気がすごい。
ディレクターであり、プロデューサー、クリント・イーストウッド氏。

常にアンテナを張り巡らせて、創作物から実話物まで、こだわり抜く。
次は何を作るのか? 次はこんな作品を作り上げたか
と、常々、その新鮮さに興味をそそられる。

今回も実話。
パリ行きの列車内で発生した イスラム過激派によるテロ事件
“タリス銃乱射事件”だ。
偶然その列車に居合わせ、立ち向かった青年3人にスポットを当てて描かれた物語。

何がすごいか?
①主人公3人はもちろん、実際にテロに遭遇した乗客を演者として起用
②セットではなく、実際の列車でロケを敢行
③上記に伴い、列車内の照明も自然光がメイン

作り物という雰囲気を感じさせず、自然体で、とにかく真実を忠実に再現している。
しかし、そのメイン所となるテロの瞬間は終盤に描かれているのみだ。

重要なのは“明日は我が身”だということ。
特別な人でも、選ばれし者でもない。ごく普通の民間人がテロに出くわし、立ち向かい、ヒーローとなった。
もしかしたら亡くなっていたかもしれない。

これは我々観る者にとっても、身近に起こり得る、リアルな出来事だということを痛感させられた。

イーストウッド監督の伝えたいことや表現法が、わかりやすく描かれた作品だった。


P.S.素人とは思えない、実際にテロを体験した人物たちの演技にはぜひとも注目してもらいたい。
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