大道幸之丞

15時17分、パリ行きの大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

まず本作品は実話でもあり、驚いたことに主人公役の3名は本人です(!)

2015年8月21日、高速鉄道タリス内で発生した銃乱射事件に若者3人が立ち向かったストーリー。

本作品は前半から3人が出会ったなれそめからスタートし、時折先に遭遇するであろう事件に至る場面が挿入され、未来をほのめかします。

教師からADD(注意欠陥障害)と診断させるほど、学校に馴染めない3人が、必然のように仲が良くなります。ただし彼らにはただなんとなく、シングルマザーである母の苦労にどこかで報いたいと「人の役に立ちたい」漠然とした思いはあります。

ストーンはアルバイト中に海兵隊から聞いた「人を救う最高の仕事」パラレスキューを目指し身体を鍛え使用試験に臨みますが視覚に難ありで希望の部隊には入れません。スカラトスも海兵隊に入りアフガニスタンに配属、アンソニーだけはプラプラしながらも大きく人生の道を外さずに3人の友情を育み続けています。

そんな3人が企画した欧州旅行で件の事件に遭い、これまでに訓練したすべてが活かされ活躍をする。

メッセージとしては「どんな人間でも未来には重要な役割を果たすことがある。簡単に人を判断してはいけない」ということでしょう。

ただしクリントイーストウッド監督作品は脚本にリアリティが欠如する事がままあり、この3人はもう少し「おイタ」が過ぎた日常を送っていたのでは?とも思ったり、身辺を綺麗にし過ぎている疑念もありました。

ただしメンバーの一人であるスペンサー・ストーンは、2015年10月にバーで絡まれている女性を助ける為に刺され重傷を負うなど「筋金入り」の正義漢である事は確かです。そして3人は本年2月フランス市民権を特別に獲得しています。