こたつむり

RENDEL レンデルのこたつむりのレビュー・感想・評価

RENDEL レンデル(2017年製作の映画)
2.6
♪ 闇に蠢き 闇に悶える
  何も得られず 何も叶わず

マーベルには負けないゼ!
フィンランド発信のダークヒーロー!
それが“レンデル(R-E-N-D-E-L)”だッ!

いや…マーベルじゃないかな…。
どちらかと言えばDCかな…。暗くて重くて粘度が高いので…メラメラと胸に燻るどす黒い炎を燃やす…そんな復讐譚ですから…爽快さはゼロでした…。

また、物語の構成も“意図的”に複雑化。
時系列をシャッフルし、過去と現在を交互に繰り返す形なので、主人公に感情を添わせることが出来ません。この辺りもズブズブと沼の底に沈んでいく感じを際立たせています。

その割に変なギャグが入ってくるのは謎。
間の抜けた部下二人組とか、最強の傭兵とか、製作者は笑わせようとしているのでしょうが…漆黒の闇の中で“にらめっこ”をしても笑えるはずがなく。単純に惑うだけの演出になっていました。

あと、強さの基準が分からないんですよね。
アイアンマンだったら鋼鉄のスーツ、キャプテンアメリカだったら肉体改造…というように、ヒーローとして活躍するには“武器”が必要なんですが、彼の場合は“血の涙すら流さないという覚悟”しかないのです。

それに敵キャラクターも微妙な限り。
ラスボス的な存在からして、色々なものを背負っている割には、それを活かす場面がありませんからね。思わせぶりに登場する傭兵たちも雑魚臭が漂っていました。

そう考えると、マーベルはスゴイですね。
一昔前までは一段下に見られていたヒーロー映画ですが、それを一変させたのは丹念に積み上げたクオリティの成果。巷の評判以上に評価されても良いと思いました。

まあ、そんなわけで。
終盤の展開から察するに、続編の構想があるのでしょうが…果たして、その続編が作られることはあるのか、作られたとして日本に上陸することはあるのか…その辺りが“一番の見どころ”の作品。地面を抉るような期待値で臨めば…もしかしたら掘り出し物になるかも…。雰囲気“だけ”は悪くないですからね…。
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