えむえすぷらす

それだけが、僕の世界のえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

それだけが、僕の世界(2018年製作の映画)
4.0
ストーリー上、母が隠した秘密は容易に想像がつく(というか隠してはいない)中で母に見捨てられたと思い込んでいた元プロボクサーで40越えているダメ人間の兄が如何にしてサヴァン症候群で一度音を聞けば同じようにピアノを弾ける弟と家族となっていくか描いた作品。

ツッコミどころは多い。グランドピアノを勝手に弾き始めた弟に心を動かされたピアニストが連弾を始めるとピアノの天板がいつの間にか開かれてるし、ピアノ協奏曲を経験もない中であっさり弾きこなす(そのオケの編成もあんな規模でいけるの?)とか色々詰めが甘いところはあるのですが、主演陣の演技合戦の方が上をいく見所になっていて気にならない。
時にコミカル、時に悲しい事もあるけどそれでも生きていくんだ、俺たちは。そんな感じに仕上がっていて見終わった後の印象はとても良い。そんな不思議な作品です。