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人魚の眠る家のpepeのレビュー・感想・評価

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
3.8

原作未読の上での鑑賞だけど、
映像化してくれて良かったと思った。
〝脳死状態の娘〟は、
映像で見た方がよりリアルに想像出来たと思うから。

脳死判定をする為には臓器提供の意思表示が必要。
子供の場合、その意思表示は保護者に任される。

なんて酷なのだろう…。
薫子のとった行動を狂気と表現される事には違和感。
彼女にとっては、娘の死を受け入れるのに必要な時間、必要な過程だったのだろうと思う。

終盤では、衝撃的なシーンをもって問題提起される。
「この作品で言いたかったことはこれです!」と赤字で強調されたようなシーン。
演技はややオーバーにも感じたけれど、
薫子の台詞にはハッとさせられた。
東野圭吾さんらしい視点に思わず唸る。


結局のところ〝死〟の定義は自分の中で未だハッキリ出来ず。
ただ、この難しい問題に実際に直面した人たちがいるという現実は変わらない。
彼らがどんな判断を下したとしても、そこには計り知れない葛藤があったはず。

安易な発言は出来ないけれど、
「臓器提供というものには
提供される側だけでなく、提供する側にも希望を抱かせてくれる側面がある」
ということはこの作品を観て強く感じたことだった。
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