吉沢亮さんが気になって(今は大ファン)過去作をいろいろ観てた頃、沢尻エリカさんの衝撃的なニュースが飛び込んで来て 配信が止まったら困る!と焦って観た。(杞憂でした)
舞台劇風な演出が私にはユニークで楽しめた。むしろ もっと舞台風でも良かった。キイロと良男が林を彷徨うシーンなどは ラスト近くでゴッホの家付近の林でキイロが謳うシーンのような雰囲気でも良かったのでは?
沙織の人間世界を実写で、猫が観る世界を舞台風にしているのか?と思いきや、スーパーのシーンもカラオケも舞台風。ゴッホのアトリエは良かった。違いの基準が何なのか解らず、そこがイマイチ映画に没入出来にくかった。でも 全体的には 痛くて切なくて あったかいファンタジーであって良い作品だと思う。
沢尻エリカさんは、パッチギや手紙などの演技に感動させられた私としては この映画でも繊細な表情と演技で魅せてくれ、本当に勿体ない、残念としか言いようがない。まだまだ これからだったのに…。
吉沢亮さん=ロシアンブルー!って どっちが先の配役?どっちにしてもピッタリだよ~!(笑)
いかにもな猫の仕草や反応、幼子のような話し方で 良男の可愛さを魅力的に表現していた。 ただ 髪の色はロシアンブルーに寄せてたけど、衣装がね…、ピチピチはアリ?(笑)だとしても もう少し他に無かったのかなぁ?と。
それにしても 横顔と涙の美しさよ!
吉沢亮さんは リバーズ・エッジなどでも大きく見開いた目が印象的だけど あんなに惹き込まれる眼ってなかなか無いような気がする。
ポン・ジュノ監督さえ 「吉沢亮の目は吸い込まれそうで見とれてしまう。」と言うくらい。(嬉)(ポン監督には吉沢亮を誉めてもメリットは無いと思うから この言葉は本心だと思ってる。)
ただ、この映画の中で一番魅力的だったのはキイロ。コムアイさんはdeleで独特な雰囲気を持った人だと思ってたが このキイロという役は 彼女に当て書きしたのではないかと思うくらいハマっていた。衣装も可愛いし 演技も表情も華奢なメス猫といった儚げな雰囲気が良かった。
そして特筆すべきなのは
その歌声!彼女の魔可不思議な?旋律の歌が この映画のなんとも言えない味を醸し出していた。エンドロールで キイロだけが2パターンでキャスト紹介されているのは監督さんのキイロに対する愛を感じた(笑)
さて「猫は抱くもの」
というタイトル。これがずっと引っかかっていた。
何故なら 我が家にも猫がおり猫はあまり抱かれたがらない。抱くというのは束縛されたようで彼女らは嫌がって腕から飛び出す。だから このタイトルは何を意味するのかイマイチずっと違和感。
でも この映画へのコメントを寄せてらした大林宜彦監督の言葉で やっと これか!と思った。
「人間は抱かれるもの?」という言葉である。
そうなのだ。「猫は(人間を)抱くもの」 なのだ。
確かに猫は気ままで何を考えてるか解らない生き物だ。
だけど 飼い主が弱ってる時、凹んでる時、何故か側に寄り添ってくれる。飼い主の人間を包む。抱いてくれる。のだ。
沙織と良男の関係も それなんだ!と納得した。
良男はゴッホに描かれ再生していく沙織を見て 自分には真似出来ないとショックを受け 「僕は、猫だね…。」と呟く。が、それが 正確だったて事。
良男はまた沙織の元に戻り 沙織を抱くのだ。猫として…。
(このロシアンブルーは沢尻さんに引き取られたそうな…。今 彼女に寄り添っている事だろう。)
【追記】
沙織の中学生?時代を演じた女優さんが、凛としてて可愛い。これからの活躍を期待したい。
ロマンス交差点 耳に残る 中々の名曲ですね。