みなりんすきー

ヘレナのみなりんすきーのレビュー・感想・評価

ヘレナ(2012年製作の映画)
2.8
『妖精さんが言ってるの、歯が欲しいんだって──けど、秘密の場所に隠してあるの』


■ あらすじ ■
大学教授のソフィアは、離婚の為心機一転で娘ヘレナと新居に引っ越してきた。金銭的に余裕はなく、年季の入ったマンションではあるが家具などがそのまま残っている部屋で、その中のクローゼットをヘレナが欲しいと言った為、ヘレナの部屋に置くことに。
新生活が始まったばかりだったが、ある日ソフィアはヘレナを乗せた車で事故を起こしてしまう。2人とも大事には至らなかったが、ヘレナの歯が抜けてしまい、本人はそれを妙に気にして、母の慰めもきかず終始落ち込んでしまう。そしてある日、ヘレナは学校で友人達から歯を集める奇行に走り、なぜかと問い詰めると「歯の妖精さんに渡さなきゃいけない」と話しはじめ…


■ 感想 ■
『ヘレナ』
(『THE HAUNTING OF HELENA』)

兄と、酒を飲みながら何か面白そうなホラー映画を観よう、とNetflixでダラダラと探して観始めたのがコレ。まぁ今までに観たことがないホラー映画の中で、今更抜群に面白い!という映画に出会うことはまず無いと思っているので、元々期待値は低め。なので、まぁそこまで駄作とは感じなかったかな。

全体的な雰囲気は良い。ちゃんとしたホラー映画という感じは終始伝わってくる。冒頭の不気味な部屋の描写も掴みが良く、そのシーンも後できちんと何の部屋だったのか分かるようになっている。ソフィア役の女優さんも美人。強いて言うなら問題のヘレナちゃんがもう少ーし可愛かったら尚良かったかな。(結局ビジュアル)
歯の妖精って日本には馴染みのない童話というかお話なんだけど、海外ではよく聞くよね。他の映画でも見たことある。ただこの映画での歯の妖精は、可愛らしいフェアリー感は一切ないです。それどころかめちゃめちゃ恐ろしい。妖精なんてモンじゃないですよ。そのクローゼット、化け物住んでますよ。

全体的に惜しいところが沢山ある。何よりまず、場面繋ぎが下手すぎる。どの場面も唐突に切れては唐突に別場面が始まるので、あれ、さっきのは結局どうなったの?どのくらい時間経過してるの?っていう疑問が何度も浮かぶ。展開の仕方がとにかく下手なんだよね。唐突に別場面に移行するのって、やり方によってはカッコイイというか、スタイリッシュに決められると思うんだけど、この映画でのやり方はそれが荒すぎて訳分からなくなる。短い時間に収めているのはいいんだけど、会話や説明的場面が少なすぎて「よく分からない」という時間が長かった印象。人物の掘り下げなどはほぼ皆無。その為感情移入もしにくい。母娘の話なんだからもう少しその辺丁寧に描いてほしかったな。元夫との距離感とかも微妙に分かりにくい。
幽霊のビジュアルとかはすごい好みだった。あんなのが夜出てきたら間違いなく失神する。歯が降ってくるシーンは間違いなく名場面だね。
マラリアの話が、完全に伏線っぽく始めから出てくるのに、観終えてみたらほぼ関係してなくて笑った。とにかく色々と惜しい映画。雰囲気だけは良かった。