さまよえる電気ひよこ

1987、ある闘いの真実のさまよえる電気ひよこのレビュー・感想・評価

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)
4.1
民主主義を手に入れるプロセスのある国の、そのひとコマを丁寧に描いた作品。韓国のひととはなしていると、「自分たちの国ですから、よくしていこうと思うのは当然でしょう?」というような言葉を耳にするんだけど、そう思う背景とか、そういうようなものを知れるきっかけにはなったと思う。あまりの壮絶さとうつくしさに涙が止まらなくなってしまったけれど、社会を変えていきたいとまっすぐな眼差しで語るカン・ドンウォンのうつくしさよ……うつくしさは見た目ではなく言葉に宿るのだなぁというのを示してくれる良さ。キムユンソクとハジョンウの関係の痛快さ。ソルギョングのトリックスター感など見どころをたくさん示しながらも「かたるべきこと」が明確に伝わる良作。