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愛の嵐 ノーカット完全版のavantgardeのレビュー・感想・評価

愛の嵐 ノーカット完全版(1994年製作の映画)
4.0
愛欲に溺れすぎて我を失った人間は、そのまま死へと一直線。人は死を恐れるあまり、それから逃れるために愛欲に耽るというが、それが逆に死に急ぐことになるというらしい。

でもこの映画、大好きなシャーロット・ランプリングが主演しているので、前から観たかったのだ。彼女の磨かれた彫像のような無表情顔が好きで、生気のないマネキンを思わせる容姿が生々しい行為とどう結びつくのか、とても興味があった。
劇中の倒錯的愛の交歓は、彼女の四谷シモン的マネキン姿に異様なくらいマッチ。シュールな絵画そのままに、朽ちていく様は血みどろ人形芝居。美しいオンナは何をやっても美しいのだなと思った。
サロメ役もできそうな怪しい容貌の女に、男から(愛の証の)生首が贈られるシーン__ここはこの映画の大きな見せ場で、二人の男女の奏でる狂った愛のメロディがピークに達するところなのだ。まさしく愛の嵐(?)
「骨まで愛して」という唄があったけど、このふたり、餓死寸前まで来て、骨になりそうな体になっても愛し合うことがやめられずにいた。
或る意味すごいと思うよ…うん…
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