日中戦争の時代に天津の陸軍病院に派遣された看護師(若尾文子)が主人公。
激戦地で明日にも命が絶たれる恐怖に苛まれる日々を送る兵士達は、主人公に看護のみならず劣情の対象として見做すこととなる。
次々と負傷者が続出し、麻酔なしで手足を切断していく際の音の演出がやたらと嫌な感じ。
平時のケア概念などまるで通用しない狂気の現場で、主人公は兵士達に対し何が救いになるのかとある行動に移るのだが、アップデートされた現代的価値観からするとどう考えても間違っているんだけど、ああなりゃ致し方がないのかもなと思ったりもした。
戦地での純愛を描いているとも言えるし、反戦映画とも言えるし他にはないアプローチの作品。