邦画が苦手な私ですが、
日本の切株、増村監督作品の中で、
この作品はどうしても見たくて、やっと見つけました。
中国との戦争を描いている本作品ですが、
従軍看護婦である若尾文子さんが、とにかく美しいです。
戦争で負傷した兵士達を助けるために、
腕や足を切断する医師は、
「腕がなくても生きる」事が果たして幸せなのか、
自分の処置に医師として疑問を持ちつつも、
それしか出来ない状況に日々悩み、
モルヒネを常用しています。
その為に不能となった自分を「男ではない」と言い切り、
両腕を失った患者は、「腕はなくても男だ」と泣きます。
コレラが発症し、慰安婦たちを隔離すると、
「戦うか、食べるか、抱くか、しか俺達にはない」
と看護婦を襲う兵士たちが恐ろしく、
女達は、いつでも被害者になりうる状況だったのだな、
と思うと、本当にやるせなくなります。
はっきりと男女のまじわりが見えるわけではありませんが、
かなりエロティックな作品です。
ラストシーンで、
「生きる」事が辛い時代もあったのだな、
と、つくづく思いました。
もう少し、この監督の作品を探してみようと思います。
ぴあ映画生活より