風来坊

ヘル・フロント 地獄の最前線の風来坊のレビュー・感想・評価

3.5
塹壕戦に焦点を当てた戦争映画は珍しいのではないでしょうか?
旧友の戦地での活躍に触発され青い考えで、地獄の戦地へと来てしまった青年が垣間見る現実は過酷。冒頭は観光気分のような青年の顔が、段々と戦争の現実を知り歪んで来るのは考えさせられます。

狭くて暗くまるで迷路のような塹壕を上手くリアルに表現出来ていると思います。戦争は人を変えてしまう感じもよく出ていた印象。
そこまで展開を溜めに溜めたのもありますが、無謀な強襲作戦のシーンは緊張感と臨場感があって晴らしたました。

塹壕での兵士達の生活や苦悩を中心に描いていて、戦闘シーンは少ないので戦闘シーンを期待して観ると肩透かしと思います。
死を覚悟して戦いに赴くのは恐怖と哀しみで溢れる。本部の無謀な作戦に翻弄される最前線の兵士…。

キャストはイギリスの名優揃いで強力布陣。中でも料理長役のトビー・ジョーンズさんとオズボーン役のポール・ベタニーさんが良い味を出していました。ドラマ部分に重点置いていて、地味な展開ではありますが、色々感慨深い映画で良かったと思います。
風来坊

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