FukiIkeda

マルクス・エンゲルスのFukiIkedaのレビュー・感想・評価

マルクス・エンゲルス(2017年製作の映画)
3.6
冒頭のシーンでは、実際の現代の話として聞いたアフリカの某国の話を思い出した。
だだっ広い、何もない見通しの良いサバンナの一本道に何故か随所に花が手向けてある。何の花か問うと、ここはサバンナで草木が十分ではない為、生活の為に薪の代わりに枝木を拾いにくる現地のアフリカ人がいるとの事。ただし、私有地の為、それは窃盗となる為、処罰の為という建前のもと、金持ちの白人の楽しみが、その人間を動物と見立てて狩るという事。
その死の為の花だと。ちなみにこれは現代の話。。。

話がいきなり逸れたのでもどるけど、
もう少し最後まで突っ込んだ感じに見られるかと期待していたが、この2人をこの資本主義、企業主義が中心の今、ある程度程度好意的に描かれている映画が作られた事は意外。
ただ、マルクスとエンゲルスよりは、やっぱり妻2人の影響が強く、このテーマにおいてはやっぱり女性の方がブレないんだと思う。
男性はどうしても理想論に発展しがちだし、一点集中型の為 、女性の方が、自分の状態を確立させながら、運動することに長けている気がする。
何故なら、資本主義の世界の中で、共産運動を掲げるには、エンゲルスのようなある程度矛盾した環境に置かれていないと難しいし、現代においても言える事だけど、余裕がないとその問題に気づきにくい、目を向けにくい、遂行するのは難しいから。
実際に古く昔から現代でも、新自由主義だの何だの言っている人間は、自分を含め、ある程度余裕がある環境に生まれたり置かれたりしている人間だから。
文学者やアーティスト、高学歴者、ブルジョアに多いのは然り。
だからこそ、矛盾していると批判されやすいのだけれど。
ただ、最低限の生活を保証される世界は誰にとっても安心なハズなのにと思うんだけどね…。

ちなみに共産党は名前のイメージが良くないから、変えればいいのにと思うし、よく言われているんだけど、変えない理由は、正しくこのマルクスに敬意を払って、変えないらしい。

世襲制もない、個人主義な共産主義なら、言葉にとらわれるなんて、「リベラル」ではないと思うけどね、、、。

ラストのlike a rolling stoneはまさしくこの歌。
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