ゆき

君が君で君だのゆきのレビュー・感想・評価

君が君で君だ(2018年製作の映画)
3.7
ストーカーではない「兵士」だ

名前をも捨て姫の好きな「尾崎豊」「ブラピ」「坂本龍馬」として国を護ってきた10年間。屈折しまくった愛情がある日、大きく動き出す。

正しい愛情ってなんだ。もうわからなくなった。
予告も何も観ずに、「松居大悟」×「池松壮亮」のネームに魅かれて劇場へ。
日常の軸となった姫の心はすでに誰かのものなのになんで見守ってんだ?
なんだその神頼みな踊りは。同じタイミングで同じ方向でご飯ってなんだ。シンクロするのか?とうすら笑いの続く中、いや…精神的な話では…ない?
創り上げた「国」を護って「日常」を壊すのを恐れてるだけなんだってYOUのセリフでハッとする。
3人の行動は明らかに異常。だけどこれ、自分に置き換えられることあるぞってぞっとする。
芯から異常なのは尾崎だけで依存せざるを得なかったのがブラピと坂本竜馬。俯瞰できる人が現れてくれて良かったよね、本当。
一部で流行りの薄眉ヤクザも見守る女ボスも愛情が過ぎると思う。

「ぼく」である為に抱きしめる程度のこともできない尾崎。
キミ、本当は尾崎じゃなくて王子になりたいんだよね。
原作なしのこの作品。恐るべし松居大悟。右往左往する作品同様、脳みその中慌ただしいんだろうなぁ。
ゆき

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