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君が君で君だのKKのレビュー・感想・評価

君が君で君だ(2018年製作の映画)
3.9
引くほどの愛。
映画じゃなかったらありえない。逆に映画だからこそ描けた狂気の愛。
リアルじゃないからこそ描ける世界、楽しめる作品があると思う。
こういう映画は嫌いじゃない。


これが「愛」なのかは分からない。
「好き」という言葉では表せず、「姫」と呼び、ただ覗くだけ。
干渉はご法度。

自らを姫の好みの有名人だと思い込み、その思い込みがいつしか本物になる。
傍から見たらその行動は、異常で狂ってるようにしか見えない。ただ覗くだけで、何を守っているのか、何がしたいのかは周りの人間には理解出来ない。

自分を姫を守る兵士だと思い込む事で、本当の真実さえも分からなくなっている。最初は、犯罪だと分かっていた事も思い続けることで、ホントに守っていると心の底から思い込んでしまう。

この歪んだ想いは、歪んではいるが誰よりも強い。彼女の全てを知ることで、彼女の汚い部分も表も裏も全て知る。
その上でまだ思い続けることは大抵出来ない。
「あんなに愛されたことある?」
「あんなん愛じゃないでしょ」
「だから半端なんだよ」


この映画を見て、感動したり、何かを学んだりとか、そういう映画ではない。
だけど、演じてる役者の熱が伝わってくる。それだけで、いい映画だったと思える。

尾崎豊
にわかだけど大好きな歌手
「僕が僕であるために」
「君が君であるために」
改めて尾崎の曲の歌詞の深さを知った。

「君が君で君だ」
深いようでよく意味が分からないタイトル。君とは誰を指すのか。ソンか、3人の男たちか。
尾崎の歌詞から
「君が君であるために、勝ち続けきゃならない。だけど、君が君であるためにもがいてる苦しみや辛さ、全てを含めて君だ。」みたいな事なんじゃないかと考えてみた。


冒頭のタイトルの「君」のハングルっぽいフォントもお洒落。
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