ゆかちん

クレイジー・リッチ!のゆかちんのレビュー・感想・評価

クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)
3.0
アジアをルーツに持つ俳優たちによるラブコメ。
舞台がシンガポールで、観てたらまたシンガポールに行きたくなった笑。
ロケ地とか、シンガポール全面協力って感じもした。
ただ、中華系のシンガポール人について、ほんまにこんなんなん?みたいなところもあり、偏見とかもあるのかなぁと。
なんしか金持ちが凄いな!笑。
確かにシンガポールには華僑とかで中華系の人も多かったけど、成り上がった人たちはこんなに凄いんかな。


ニューヨークで大学教授として働くレイチェル(コンスタンス・ウー)は、親友の結婚式に出席する恋人のニック(ヘンリー・ゴールディング)とともにシンガポールへと向かった。
初めてのアジア旅行への期待と、初めてニックの家族会うことの緊張感を感じていたレイチェルが出発当日の空港で案内されたのはファーストクラス。実は、ニックはシンガポールの不動産王の超有名一族の御曹司だったのだーーー。




出演者たちはアジア系を代表する人が揃ってたし、気合を感じた。

ニックの母役にミシェル・ヨー。
スラッとかっこよくて素敵。この人、メイクアップやドレスでちゃんとパァッと映える女優さんだよな〜。凛としてカッコよき。
最初のシーン、ホテルでアジア人だからといって下に見られたところから成り上がってきたのがわかるわ〜っていう気品と迫力。
一族を守るために闘ってきた女性として息子を想ってるのが伝わる。
演技はさすがでしたな。レイチェルに表面的にはそつなく対応してるようで、その裏は嫁として迎えることを否定してるのが伝わるところとか。きっと彼女は彼女で義母に否定されて振り回されてきたんだろうなというところとか。

レイチェル役のコンスタンス・ウー、可愛かった!童顔だよね。めっちゃ可愛らしい系。でも、負けない根性も出していた。色んな服試着してるのも可愛かった。

レイチェルの親友役にオークワフィナ。
彼女がいるとその場面にテンポがあって安心感もある。客観視もしつつ、ちゃんとレイチェルをサポートしてて頼もしかった。あんな友達ほしい。しかし金持ちが凄い笑。

オークワフィナの父役にケン・チョン。
おーってなった笑。相変わらずクセが凄いし浮いてる時もあったけど、スパイス効いてて良かったね。

あと、ニックのいとこで、一族の中で唯一まともな感覚を持つアストリッド役にジェンマ・チャン。
こう見ると、アジアをルーツに持つ人たちの中で今一番光ってるやっぱジェンマ・チャンなのかなぁと。
なんやろう、ハッと目を惹く魅力がある。
メイクとかもあるんかもやけど、ミステリアスビューティー。
まだまだアジア系が少ない大作にちょこちょこ出てるのはなるほどって感じ。
逆玉状態の夫のプライドを傷つけまいと健気にしてるも、それが逆に夫のプライド傷つけてたとかで夫が浮気してたという。
彼女の話がもう一つの軸だったね。
夫も、アストリッドの一族からの扱いとかでプライド傷つくのはわからんでもないけど、愛してるならちゃんと立ち向かってくれよなってなるよね。被害者ヅラすんなよてなる。
ピシッと最後に言い切って別れを告げた彼女はカッコ良かった。

ニックを演じていたヘンリー・ゴールディング、ザ・好青年!ぼんぼんが過ぎるのに偉ぶらない!爽やか好青年がちゃんと出てて良かった。
ただ、彼はアジア系の中でも東南アジア系だよね。ミシェルヨーの息子にしては無理があったというか。(東南アジア系は東アジア系よりホリが深い)まあ、ミシェルヨーも中国系やけどマレーシア人だが。
でも、彼はマレーシアをルーツに持つということで、シンガポールを舞台にするなら相応しいかもしれない。
てか、観たことあるな〜て思ってたら、ガイリッチーのジェントルマンのシマ争いに絡んできた若者か。あれも中華系ギャングやったなぁ。

あと、ニックの友達役にソノヤ・ミズノ。日系だよね。こちらは顔立ちは近いのでそこまで違和感はないかな?
てか、彼女も既視感あるなと思ってたら、エクス・マキナのもう1人のAIやってた人か。


物語としては、王道で、あるある。
金持ち一族に顔見せに行ったら2人の交際をよく思っていないニックの母や家族親戚一同、さらには元カノとの対立と、困難に見舞われる。それをどう乗り越えるのか?という。

その中でも、アジア系の話…特に中国系にしてることで、個人の幸せと一族の幸せの対立って感じがより浮き出してたのかも。

玉の輿やし、みんなが羨むことやろうけど、それが仇になることもあるもんよね〜。


そんな中でレイチェルが最後にとった、家族を捨ててレイチェルと結婚したいとニックからプロポーズされたとき、レイチェルから断ったという行動と、

「ニックは私を選べば家族を失う。
家族を選んでも生涯あなたを恨みます。
ニックを愛しているから二度も母親を失わせたくない。
だから覚えていてください。
いつかあなたの認める女性と結婚した時ーー孫と遊べたら私のおかげです。
貧乏なシングルマザーに育てられた名もない移民のおかげだと。」
…という言葉に、オオッてなった。

そうか、ニックに選ばせなかったんだ、と。
なんて、賢い。
そして、相手を思いやる本当の愛。
…と唸ってしまった。

レイチェルから断ったのは、ニックの家族が嫌だから逃げるわけでもなく。
ただただ、ニックへの愛ゆえにという。

なんということでしょう。

で、健気〜ってところやけど、それをちゃんと相手の母に言うところは、ケジメをつける感じで負けてなくていいね笑。



それを聞いたニック母の行動も良かった。

レイチェルはニック母に話すだけ話してニューヨークへ。
レイチェルの話を聞いたニック母は考え、ニックと話す。
ニックが飛行機にまできてレイチェルにプロポーズ。
いや家族はどうすんのって言おうとしたときに、ニックが見せた婚約指輪を観て、レイチェルも私もハッとする。

それは、ニック母が、ニック父からもらった指輪。しかも、彼女も何かと一族云々と嫌がらせとかある中で、彼女が希望して買わせたという。

それ渡すってことは、母も認めたってことやもんな。暗黙のOK。
粋やわ〜。

こういう一番大事なところのセリフや見せ方が良かったなぁと。
2人がずっとニューヨークで暮らすのか、将来シンガポールに来るのかわからんけど、とりあえず良かったな〜ってなって、ニコニコできたから観て良かった!

家族のために自分の大事なものを諦めるのは今の時代どうなんかなとは思うけど、自分の大事なもののために家族を捨てるのもどうなんかなって思う。
難しいけど、両立できることやと思うから、それを提示してる感じもした。
ゆかちん

ゆかちん