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豚の王のkuuのレビュー・感想・評価

豚の王(2011年製作の映画)
3.8
『豚の王』
原題 돼지의 왕/The King of Pigs.
製作年 2011年。上映時間 97分。
『新感染半島 ファイナル・ステージ』のヨン・サンホ監督が手掛けた韓国産長編アニメ。

会社の経営破綻後、衝動的に妻を殺害したギョンミンは、こみ上げる怒りと興奮を抑えながら中学時代の同級生ジョンソクを訪ねる。 
ジョンソクは15年ぶりのギョンミンの訪問に当惑する。
無視され踏みにじられた、疎ましい中学時代の記憶と、彼らの英雄であったチョルについて語り始めるギョンミン。
そして彼は母校の校庭へジョンソクを連れて行き、15年前のあの日の衝撃的な真実を明かそうとするが。。。

なんと救いのない話なんや。
韓国における階級闘争の問題と、イカれたいじめとの悲惨な関係を描いた、心にガツンとくるネガティブなアニメーション。
悪夢のようなアートディレクションで、どうも感情を過激に刺激され、主人公の残酷なまでの過去の物語で胸が悪くなった。
今作品は、家庭内の問題に悩む2人の男が15年ぶりに再会し、非常に困難だった学生時代を回想する。
ってあらすじからは、到底物語の展開は推測しにくかった。
主人公の子供時代、学校を支配し、しばしば授業中に暴力をふるうブルジョアの子息たち。
彼らからの継続的に、残忍なイジめにより徐々に精神を破壊されていく。 
プロレタリアの微笑みさえ皆無。
周囲の誰もがこの恐ろしい行為をなかったことにしていることが、問題全体を悪化させ、金持ちのボンボンたちが自分たちの無罰性をさらに確信する原因になる。
少年たちの唯一の希望。
それは、勇敢で獰猛な同級生チョルやった。
彼は、恐怖に立ち向かうことを恐れない唯一のガキであることを証明し、ガキの圧制者よりもさらに暴力的な方法で反撃に出ようとした。
外部からの援助はなく、3人の仲間は最も衝撃的な計画を思いつく。
それは。。。
明るい未来に希望を持てない彼らは、毎日学校の中で起きとる恐ろしい事件を、無関心な大人たちに知らせる唯一の方法として、この極端な計画を思いつくんやけど。。。
今作品は、少年たちの決断を評価し、この状況、そしてこれから起こることについての彼らの異なる視点を提示するだけでなく、ラストには壮大な謎を解き明かしてます。
今作品のプロットは、監督の夢から着想を得てるそうで、彼の友人2人が過去に起こったすべての悪事に対する復讐奇譚として観ることができます。
恐っろしい現実と、混乱した幻影が融合した、メチャクチャ暗くて、曖昧なアニメやったし、ただ、二人の男の物語を通して、幼少期のトラウマが生涯にわたって恐ろしい影響を及ぼすことが示されるんは、妙に説得力のあるメッセージを伝えてました。
記憶は欺瞞に満ちているけど、人が人生にどう対処するかを決める上で重要な役割を担っているのは確かかな。

      豚の民
Kuu ことGeorge
人の末端階級
豚の民
なにもない なにもない
手の内には愛すらも
王になる幻影
豚の王
なにもない なにもない
自ら捨てたのか

遁げる稟性
磨くだけ
なにもない なにもない
記憶も名誉も財産も
損ばかりと口にする
豚の民
なにもない なにもない
無駄に消費を続けてるだけ

握った手の内
未來でさえ
なにもない なにもない
唯巡る血が波打って
イジけた紅血
駆け巡るだけ

上流階級
意識はイカれ
階級末端
気魂はイカるる
どちらにしても
生きるのに
必死決死の命懸け
必死決死の命懸け

豚の王
自由にイカれた
人の末端階級
なにもない なにもない
悲哀も思考も矜持も愛情も
なにもない なにもない
ただナイフを忍ばせるだけ

kuu

kuu