中学生の頃以来、久しぶりに再会したジョンソクとギョンミン。
二人は酒を呑み交わしながら、自分たちがイジメを受けていた頃の出来事と二人の人生を変えた少年・チョルの事を思い出していた…というお話し。
人類は長い歴史の中で社会というものを形成し恒久的かつ安定した生活基盤を構築しようとしてきました。
そして現在、それは資本主義という形で多くの国に採用され、人々の生活や社会活動が維持されています。
だけれどそれは結局の所、形を変えただけの弱肉強食であり、実際のところ人類は有史以来何も変わっていないよなぁとも思います。
結局のところ人間は他人と競争し争わなければ生きて行けない生き物なのかもしれません。
だけれど本作の二人の男を見ていると、“勝者”と“敗者”は必ずしも環境や周囲の人々によって決定付けられるものではない気がしました。
彼らは自分たちを“豚”や“負け犬”として周囲に抗おうとしますが、その時点で彼らは自らを敗者として既定してしまっていたように見えました。
例え社会が競争や争いを強いてきたとしても、そこに乗らず自らの生き方に自信を持ってさえいれば人は他者に負ける事なんてなく、自分の人生を自分の価値基準で生きていけるのではないかと思います。
本当の意味で自分を縛るのは社会や他人ではなく、自分自身なのかもしれません。