takanoひねもすのたり

豚の王のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

豚の王(2011年製作の映画)
2.9
金持ちが憎いーーーーー!アニメ。

中学時代の同級生・ギョンミンから突然連絡を貰ったジョンソク。
彼と久しぶりの再会で、話始めたのは中学時代のいじめの記憶と"チョル"そして15年前のある事件のことだった、韓国いじめ構造と格差社会を描いたアニメ作品。

ジョンソク、お姉ちゃんが買ってもらったブランド物のジーンズを駄目にしちゃって家族からしこたま怒られなかったんだろうか……?
(カットしたか描いてないだけかと思うが)

中学時代のある期間、彼らの中でチョルの存在が"王"と持ち上げられる理由は分かるけど、ドラマ全体の中での存在感は意外と弱い。
乱入してくるケンカに強い少年って程度。
存在感が増すのは猫殺しとトリップ状態で語る"計画"の場面くらいか。
いじめっ子をボコるシーンもいくつかあるが、いまひとつ狂気的なところは感じられず。
韓国アニメの描写・演出によるのか分からんけども。

中学時代は"金持ち憎い"が、社会に出てからは"社会が憎い"にスライドしているところ、ルサンチマンを何かの形で消化しないと、かつての弱者は、自分より弱い人間に暴力を向けるのだということですかね……。
(ジョンソクはDV野郎、ギョンミンは妻殺し)

テンポがあまりよくないのと、見せ方が単調なため、集中力は途切れがちだし、絵柄の慣れなさもあり観るのがしんどいアニメではありました。