金宮さん

疑惑とダンスの金宮さんのレビュー・感想・評価

疑惑とダンス(2018年製作の映画)
3.0
出演陣には設定だけ伝達し、密室ワンシチュエーションを脚本すらなしのアドリブで撮りきったという実験異色作。

流れ自体が出演陣のアドリブ任せ展開大喜利になる。おそらく「コメディ方向にしてくれ」とだけは指示を受けてるであろうがゆえに、途中あきらかに面白ワードを言わなきゃ言わなきゃ状態になってる?ばかりが気になってしまう。アドリブという唯一無二性が逆にノイズになってしまった。

となるとその製作手法を観客には完全に黙っといた方がよかったんじゃないかとも思ったり。

試みは超面白いだけに「キャラ設定をそもそも舞台役者の集まりにしてコメディにしない→アドリブによる展開が真に迫るものになる」とか「出演陣を芸人さんにする→展開大喜利のクオリティが担保される」が解決策になるのだろうか。後者に関してはキャスティングされた芸人さん的には地獄だろうし、編集側のセンスが大喜利に追いつけない懸念は存続しちゃうけど。

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・何かに空気感が似てるなーと思っていたところ、笑っちゃいけない中で面白いこと言わなきゃいけないドキュメンタルだと気づいた。ドキュメンタルで八方塞がりになった時に叫び怒ってしまう謎現象にいつも冷めるんですが、今作も終盤そんな感じでした。こんな無茶ぶり、そうなっちゃいますよね。

・ダンスパートは「これはコメディですよ!」という商品説明のようなものかと解釈したんですが多分違う気もする。こういったセンスも理解できるようになりたい。
金宮さん

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