嘘だし犯罪だし貧乏で、問題はいっぱいあるけど、しかしそれでいて、このわずかな時間は充実していて幸せで暖かく実に楽しそうだった。
その感じを作り出す上手さよ、あの汚く手狭な家よ、染み付く匂いまで伝わってくる。是枝組のなせる妙。
社会からあぶれた者たちが生きる姿を描くのはドキュメンタリー畑出身の是枝監督の真骨頂とも言えるテーマであり、配役はタイミング的にも樹木希林や安藤サクラ、松岡茉優と、素晴らしい俳優を揃えることができたのが良い。
是枝監督のこれまで培った経験や実績、スタッフ、演者、全てが揃ったこの映画にパルムドールが与えられたのは本当に素晴らしい事だと思う。
安藤サクラとリリーフランキーの濡れ場の前後の流れがすげえ良い。