怪物が自分的にイマイチだったので合うかどうか分からなかったがメチャ面白かった。
個人的に家族が家でカップラーメンを食べるシーンとか、祥太がビー玉を懐中電灯で照らすシーンのような何気ない日常だけど満ち足りている瞬間を見ることがとても好きなのだと改めて感じた。
万引きで生活費を賄う、彼らの生き方は決して見上げたものでは無いし、そうすることで社会との接点をまともに持つことができなかった祥太には同情の思いが強く感じられる。けれど、どうして、こんな底辺の人たちの生活が楽しげで、一見魅力的に感じられてしまうのだろうか。
彼らが、今まで通りに楽しく生きられる社会が良いのか。それとも、彼らがあんな生活をしなくても生きられるようになる社会が良いのか。
いわゆる社会批判的な作品だと、現状の辛さを訴えるものが多いと思う。その中で、是枝監督の作品はそんな社会的には下層にいる人の幸せを魅力的に描くから、自分でも「じゃあ、こんな人たちがこんな生活をしている社会でも良いのか」と思ってしまう。
心が揺さぶられる名作でした。