たゆた

万引き家族のたゆたのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
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しんどかった。
あそこにいる全員が家族に憧れてて、家族を欲してて、6人が家族だって思いながらも、同時にそれが偽物であることも認識してる。だからこそ、おばあちゃんの死を伏せたり、ショウタを置いて逃げようとしてた。結局本物の家族にはなれなかった。
子供達自身もそれを感じてたからこそ、ショウタはお父さんの教えのダブルスタンダードに違和感を覚えて、自ら捕まりに行くような行動をしたわけだし、家族の全員がどこかであの関係の終わりを意識してたのかなとか思ったり。
でも、作中でノブヨが言ってたように、「本当は誰が捨ててたの?」ってことに問題は戻ってくると思う。
彼らは社会が捨てたものをお互いに拾いあってただけなのかもしれない。そうしないと、ずっと見捨てられたまんまだったかもしれないから。
胸が締め付けられるようなそんな作品だった。
いつか彼らが、あの花火を見た時のように、誰かと笑い合える日が来るといいな。

そして、全員の演技がやばすぎる。恐ろしい。
たゆた

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