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万引き家族の時間のネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

セックスし終わった後の安藤サクラの笑顔が可愛かった。あと全裸でタバコ吸ってはしゃいでるリリーフランキーの有頂天ぶりが好き。海のシーンを観てた時は「ああ今がこの家族の絶頂の幸せでこれから少しずつ壊れていくんだろうな」って予感してた。
安藤サクラの演技がすごかった。この人の優しさって自分自身も悲しい幼少期があって人の痛みに寄り添うような感じがある。本当はそうされたかったことをやっているような。全部の罪を自分一人で背負ったり、おばあちゃんが死んだ時も連絡しようとしてるのを制したり、肝が座ってる。
覚悟の決まっている安藤サクラに対してリリーフランキーはわりと矮小な人間性。安藤サクラの前夫を殺してるって聞いた時にああなんかわかる。こいつ夫って言うより情夫っぽいって腑に落ちた笑
善性が全くないわけではないんだけど後先考えないしキャパも少ないからすぐ狼狽えるし小物。(じゅりちゃんの報道が出た時とか、捕まった時とか)でもその小物っぽくて完全な悪でもないこのキャラクターはすごくリリーフランキーぽくてハマり役だった。
あと駄菓子屋の柄本明の演技が良かった。この一言が祥太くんにとっての転機だったんだなってわかるすごい演技。
最後のりんちゃんが春先に着てそうな薄着のパーカーでベランダに佇んでいたのが本当に救われない。屋根にまだ雪残ってるし絶対寒いよ。最後遠くを見てたのもあの時の生活にもどりたいんだろうなって思う。
この手の話にありがちなのが最後お母さんお父さんって呼ぶだと思うんだけど、最後まで呼ばれないまま終わる。最後の安藤サクラの面会のシーンなんかここで呼ばないならいつ呼ぶんだと期待したけど…呼んであげてほしかったな。でも絶対に呼ばない!呼ばせねえよ!って思って作ってると思う。

おばあちゃんの年金不正に受け取ってるし子ども誘拐してるしよくないんだけど、確かに掬い上げたものもあると思うのにすべて打ち砕かれてなんだったんだろうってこぼす安藤サクラがよかった。
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