このレビューはネタバレを含みます
犯罪を肯定するつもりはないけど、こんなに犯罪者を庇いたいと思わせられるのは初めて。
部外者から見ると犯罪者が純粋な子どもを誘拐し、洗脳してできた歪な集団のように思えるけど、当事者にとっては自分の居場所であり“家族”だった。
「子どもたちに何て呼ばれてたの?」に対して、しばらく黙って「…何だろうね。」と答える安藤サクラさんの表情、仕草、声色すべてがリアルで切なかった。
バスで治と別れて、しばらくしてから振り返って「おとうさん」と小さく呟く祥太が愛おしくて泣いてしまいそうだった。
ラストシーンをりんがベランダから外を見渡すところにした監督の答え↓↓
『(ラストで)彼女が見ている(柵の外の)風景は、映画の冒頭で“隙間から見ているもの”よりも広い。前向きな終わりというと言い過ぎかもしれませんが、『あの視界の先に私たちがいるかもしれない』ということをオープンにしたつもりです』
素晴らしい映画だ。