このレビューはネタバレを含みます
深い映画。
邦画でしか表現出来ないような事を
とても上手く描いている。
日本社会。
思う事が沢山ある映画。
真剣にレビューしようとすると
かなりの長文になりそうなので
ほどほどに割愛。
とりとめもなく記します。
・万引きのやり方について
店員に見えないように視野を遮ったり
案内させたりしてる内に相棒に盗らせる
防犯ゲートの電源抜く。
治曰く
焦らず店員が減るのをずっと待つのがコツと。
あくまで映画なので
分かりやすく表現しているのもあると思うので、
色々大胆だし防犯カメラにも写ってるのでは?
目撃者も居そう。とも思いますが
そこら辺には突っ込まないでおきます。🤣
・家族
亜紀の足がいつもより冷たいから
嫌な事あったかと聞く初枝。
よく人を観察していて理解している。
(足冷たい=嫌な事あったの図式は謎)
治や信代、亜紀も
子供との接し方が上手い
程よくグッと近付く。
だが厚かまし過ぎない。
自分達自身傷付いて生きてきたから
人がどう感じるか
よく分かるのではないか。
お婆さんが
徐々にボケてきて
死に向かっていく感じ
表現も上手い。
樹木希林さんの演技も流石。
治
「婆ちゃんは最初から居なかった。
俺たちは5人家族だ。」
ある意味彼らにとり現実的だが怖い。
冷たい熱帯魚風
・葛藤
万引きについてどう思うか
祥太に聞かれる信代。
「まあ店が潰れなきゃいいんじゃない」
cf
治は
「店にある物はまだ誰の物でも無い」
と言っていた。
だが人が所有している物(車)も
盗ろうとする治の姿を見る祥太。
矛盾を感じ、
治への信頼のゆらぎ
自分は正しい人生を歩んでいるのか
と葛藤しているような様子。
恐らく
役に立ちたい
居やすいからといったような気持ちから
祥太の前で万引きしようとみせるりん。
りんを庇う祥太。
→
りんを庇った事は周囲には言わず
後に「僕わざと捕まったんだ」
りんを庇う為だけでなく、
自分が捕まる事を契機に
リセットし
家族がやり直す為
とも思っていたのでは?
先の葛藤から。
・その他
祖母はお金が欲しかっただけなのか。
もしかすると最初はそうだったのかもしれないが、徐々に亜紀という存在自体を愛していたのではないか。守るため。
治
「万引き以外他に教えられることが
何も無いんです」
→そんな事ないと思う。
榎勝太(治)なりの教育は
愛を持って
子供達にとても伝わっていた。
前園刑事
「家だけじゃ出来ない勉強もあるんだ」
「出会いも得られる」
→それはそう。
いくらアナーキー的にゆたぼん的に
自分に学校は不要だ
学校に行かなくても生きていける
と軽く思っても
学校に行くメリットは拭えない。
ある程度普通のルートを歩む、
という事は人生において大切。
宝物になる。
宮部刑事の問いかけに
由布子(信代)
「産んだらみんな母親になんの?」
最後じゅり(りん)飛び降りようとしていた。
虐待を受ける
実の家族から逃れ
皆の元に向かうためか。
血は繋がっていないが家族。
絆で繋がっている。