Avayette25

万引き家族のAvayette25のネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

深い映画。
邦画でしか表現出来ないような事を
とても上手く描いている。
日本社会。

思う事が沢山ある映画。

真剣にレビューしようとすると
かなりの長文になりそうなので
ほどほどに割愛。
とりとめもなく記します。

・万引きのやり方について

店員に見えないように視野を遮ったり
案内させたりしてる内に相棒に盗らせる

防犯ゲートの電源抜く。

治曰く
焦らず店員が減るのをずっと待つのがコツと。

あくまで映画なので
分かりやすく表現しているのもあると思うので、
色々大胆だし防犯カメラにも写ってるのでは?
目撃者も居そう。とも思いますが
そこら辺には突っ込まないでおきます。🤣

・家族

亜紀の足がいつもより冷たいから
嫌な事あったかと聞く初枝。
よく人を観察していて理解している。
(足冷たい=嫌な事あったの図式は謎)

治や信代、亜紀も
子供との接し方が上手い
程よくグッと近付く。
だが厚かまし過ぎない。
自分達自身傷付いて生きてきたから
人がどう感じるか
よく分かるのではないか。

お婆さんが
徐々にボケてきて
死に向かっていく感じ
表現も上手い。
樹木希林さんの演技も流石。


「婆ちゃんは最初から居なかった。
俺たちは5人家族だ。」
ある意味彼らにとり現実的だが怖い。
冷たい熱帯魚風

・葛藤

万引きについてどう思うか
祥太に聞かれる信代。
「まあ店が潰れなきゃいいんじゃない」

cf
治は
「店にある物はまだ誰の物でも無い」
と言っていた。

だが人が所有している物(車)も
盗ろうとする治の姿を見る祥太。
矛盾を感じ、
治への信頼のゆらぎ
自分は正しい人生を歩んでいるのか
と葛藤しているような様子。

恐らく
役に立ちたい
居やすいからといったような気持ちから
祥太の前で万引きしようとみせるりん。
りんを庇う祥太。

りんを庇った事は周囲には言わず
後に「僕わざと捕まったんだ」
りんを庇う為だけでなく、
自分が捕まる事を契機に
リセットし
家族がやり直す為
とも思っていたのでは?
先の葛藤から。

・その他

祖母はお金が欲しかっただけなのか。
もしかすると最初はそうだったのかもしれないが、徐々に亜紀という存在自体を愛していたのではないか。守るため。


「万引き以外他に教えられることが
何も無いんです」
→そんな事ないと思う。
榎勝太(治)なりの教育は
愛を持って
子供達にとても伝わっていた。

前園刑事
「家だけじゃ出来ない勉強もあるんだ」
「出会いも得られる」
→それはそう。
いくらアナーキー的にゆたぼん的に
自分に学校は不要だ
学校に行かなくても生きていける
と軽く思っても
学校に行くメリットは拭えない。
ある程度普通のルートを歩む、
という事は人生において大切。
宝物になる。


宮部刑事の問いかけに
由布子(信代)
「産んだらみんな母親になんの?」

最後じゅり(りん)飛び降りようとしていた。
虐待を受ける
実の家族から逃れ
皆の元に向かうためか。

血は繋がっていないが家族。
絆で繋がっている。
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