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万引き家族のwksgknchのネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

観てきました。

「奇跡」「そして父になる」「海街diary」「三度目の殺人」
是枝作品を全て観たわけではないけど、
共通しているのは演技がとても丁寧であり、子役が特に素晴らしい。

とても面白かったです。


本作は色々と話題になっているが、決して万引き称賛映画でないことは確か、それは結末が物語っている。
非常に短絡的で刹那的なのだ、今生きさえすればよいという思考と、
家族のあり方もそれぞれが色々抱えつつも、
依存でしか成り立っていないので、何かが欠ければ直ぐにでも
この家族に起こることは誰でも予想できる。

この映画の中では誰も裁かれることなく映画は終わる、
それぞれがそれぞれの結果を受け入れ、
一歩進もうとする、そこまで。
悪とか正義とか、それを伝えるのではない。

たまたま立ち読みしたマンガ「響」の中で、
印象的なセリフがあった、
響が書いた小説を読んだ大臣が響にとある質問をした際の返しで、
この小説を読んで何か感じたならそれは私の小説は
あなたの為に書いた、と思ってよいですよ、
わたしは何も意図してませんが、というものだった。
(あくまでニュアンスです、正確ではないかもしれません)

これだと思ったわけです、是枝さんの中にもきっと何かしらあるだろうけど、
映画監督としては、そこをできるだけ排除し、
この家族がどう生きているか、それだけを丁寧に映画にした。
ただそれだけ。
観た人が何を感じても良いが、それまでの話し。

「私は、ダニエルブレイク」を直前に観て、
2016年のパルム・ドールで、2018年のパルム・ドールが本作だという事実が、世界がいまどういう状況かを示唆しているのかと、
ダブルでずっしりときました。
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