たた

万引き家族のたたのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.5
すごい。
「いる」なあって思った。
「演じてる」のとも違う、「ただ映してる」のとも違う、「いる」感じ。
僕は日本語以外わからないから、良い邦画を見た時しか、この感覚にはなれない。
リリーさんは実際はどんな人か知らんですけど、その日暮らしのイメージがあって、明日をも知れない日陰者の小悪党がよく似合う。似合うを通り越して、もうそのまま。「いる」。
リリーフランキーだけじゃなく、安藤サクラや希林さんはもちろんのこと、子供たちも、出番すくない柄本さんも、そこに本当にいる。
いるだけだから、長回しでも緊張感がない(良い意味で)

これは、演技してないって言いたいわけじゃなくて、ドキュメントみたいに事実を映してるだけと言いたいわけじゃなくて、役者さんと監督とスタッフさんたちみんなで作り上げる、映画ならではの空気なんだろうなと。
テレビドラマでも舞台でもない映画だからこその空気。
よい映画を見た!


この家族には、共感や同情を覚えるほどではないけども、
世間一般の(と思われる)価値観では計り知れない、悪人寄りの人たちなりの、絆っていうものが、確かに存在しているんだろうなって、強く感じました。
悪人が主役のお話はたくさんあるけど、この映画は、そういうことを特に強く感じざるを得ない、説得力のある空気で満たされておりました。
たた

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